池袋駅前で待ち合わせ。
待つことちょっと、チビ助が現れた。
チビ助はやっぱりチビ助だった。
非常に大人な出で立ちで、お嬢様ですって言われたらはいそうですかって信じてしまいそうだった。
というか現にお嬢様なんだけど。本人は必死に否定してたけど。
服装を例えるならあれだ、皇族が着てるようなシンプルだけど気品のあるアレみたいな。
それからカラオケへ行った。
なぜかチビ助の友達もくっついてきてた。
なんとはなしに、別れて正解だったのかなー、とか思った。
告白された関東組の男とは、うまくいっているようだった。
そして解散し、帰宅。
ちょうどそんな時だった、その事を知ったのは。
中西さんが、付き合っていた彼と別れたらしい。
どうにも、うまくいっていなかったらしい。
それを知った俺は、喜ぶわけにもいかず、かといって悲しくもない、非常に微妙なところだった。
中西さんは、本人も言っていたが、誰かと付き合うだのどうだの、そういったことに疎いらしくまた無頓着だった。
それからまた中西さんとだらだら連絡をとる日々が始まった。
あ、中西さんはその年、進学するために浪人していました。
あと、関東組に小田っていう有名大学に通う超絶イケメンでロリコンなやつがいて、長い付き合いになるので、そいつとのエピソードも書けたらあとで書きます。
閑話休題。
そして迎えた6月。
中西さんの誕生日が近付いてきた。
中西さんから連日のようにジョジョのアツさを語られていた俺は(中西さんは好きなことの話になると本当人が変わったように饒舌になる)、誕生日にサプライズプレゼントを渡すことを決意。
六部までの全巻セットを早速ぽちる。
しかも新刊。
そして我が家に届く大量の単行本たち。
プレゼントとして渡す前に俺が先に読んじゃったんだけど^^^^^^
いやさ、新刊をいきなり贈っても畏縮しちゃうだろうからさ、中古で安く手に入った態で贈ればいけるんじゃないかなあと。
好きな音楽や本などで人の影響を受けやすい俺は、これが原因でジョジョにハマることになる。
4部最高。
そして全部読み終わった頃、中西さん宅へ発送。
すんごく喜んでくれたのは嬉しかった。
今気づいたんだけどさ、
『女が喜ぶ』
って書いて
『嬉しい』
って読むんだね。全くその通りだ。すげえ。
閑話休題。
会社からうまい某配布禁止令を受けていた俺は(食べ物を配って訴えられたら云々社会人として云々)、物凄く暇をもて余していた。
そこで、さっきの話に絡み、素晴らしい暇潰しを思い付く。
ジ ョ ジ ョ 立 ち だ
思い立ったがハピィデイ、勇躍俺は家を飛び出していた。
向かった先は秋葉原。
梅雨も明けだんだんと暑さ増してくる(4月から11月までは全部暑いんだけど…)7月。
俺は、人生初のジョジョ立ちデビューを飾った。
やばいすんげー楽しい。
立ちながら勃った。
人から嘲笑を受けることの快感を知った18の初夏。
人が笑ってくれるのなら自分が体を張ることも厭わないと思えた。
そこら辺、自分にはエンターテイナーの素質があるのかもとか思ったけどコミュ障なので勘違いでした。
その後は年が明けるまで特に変わったことは無く、無事に年を越した。
いや、大晦日→元日と仕事が遅番→早番で、松屋で上司と二人っきりで年越しを迎えた時にちょっと泣いたくらいかな。
関東組とも地元組とも変わらず付き合えた。
浮いた話は特になかった。
たまにvipで釣りスレを立てたりジョジョ立ちしたりするくらい。
この頃には完全にうまい某を配りたいと思うことも無くなっていた。
代わりに飲み会()での上司への気配りやしきたりっていう、社会人の必須スキルを先輩から叩き込まれていた。
高校時代はそういう事は死んでもやりたくないって思ってたんだけど、気付いたら率先してやっている自分がいて。
ある日ふと冷静になり、もう、うまい某を配ったりする子供には戻れないんだなって知って、ちょっと泣いた。
話はここから佳境に入ります。
年が明けて2010年。
その年にvipで
バレンタインデーにvipperでもやし買い占めようぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
って祭りがあった。
久々の祭りでテンションの上がった俺は、近所のスーパーをハシゴして結構な数のもやしを仕入れてきた。
しかし買ったは良いものの、当然ながら全部消費するアテなんかない。
窮した俺は、チビ助に助けを求めた。
そしたら、皆で集まって鍋をしよう!
ってことになった。
場所は、先に触れた有名大学に通う超絶イケメン(ただし重度のロリコン)、小田の家だった。
旅行バッグ?一杯のもやしを抱えてひいこら言いながら、一時間かけて小田の家へ。
小田とチビ助以外に、俺の知らない人が数人いた。
あ、あと小田にキスしようとしたら全力で拒否られた。ちくせう。
中西さんは一浪の末、見事大学に合格していた。
俺も、社会人二年生になっていた。
きついながらも、なんだかんだで充実していた。
つーかこのあたりはマジで記憶がほとんど無いから省略。
話は飛んで8月。
俺の誕生日(8月9日)に合わせて、小田と一緒に地元に帰る予定を立てた。
なぜ小田も一緒だったのかは覚えていない。
小田が確か唯一、地元組と仲がよかったような。
地元からちょっと離れた大学に通っていた中西さんも帰省してくるらしいから、都合が良かった。
新幹線で来た(キリッ
よろしく、小田と仲良く隣同士に座る。
道中いろいろセクハラしようとしたが、事ある毎に拒否られた。
イケメン大好きな俺涙目wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
そんなこんなで地元着。
付いたのは夜中。
繁華街のアーケードで一人ジョジョ立ちをしていたら、地元のDQNが話しかけてきてくれた。
こんなところで田舎の暖かみを知ることになるとは…
んで、事前に宿をとるような段取りの良さは当然俺には無いので、行き当たりばったりで見付けたラブホテルに宿泊することに。。
というか良く考えたら小倉さんと行ったホテルだった。
まあ流石に部屋まで同じじゃ無かったけど。
久々に見る小田の上半身はやっぱり筋肉がついて引き締まってて、キスしようとしたけど全力で拒否られた…orz
一緒にラブホに泊まるってそういう意味じゃないのかよ…
んでまあ翌日、待ちに待った地元組との再開。
皆変わってなかった。
その後は小倉さんやら中西さんやら篠崎やらと一緒にカラオケへ。
マイクを取ろうと前屈みになった中西さんの胸がちらっと見えたのは内緒////
その後は、小さな個人経営の居酒屋を貸しきって、なんと俺のお誕生会()を開いてくれた。
こんな会を開いてくれるなんて幼稚園以来だった。
顔面ケーキの洗礼を受けた。
んで途方もなく酔っぱらって、介抱してくれた中西さんの胸がまたちらっと見えたのは秘密。
夢のような時間はあっという間に過ぎ、いよいよ東京へ帰るときがやってきた。
最後の最後に、小倉さんに、渡したいものがあるからと呼び出された。
渡されたのは、小さな紙袋。
絶対に帰るまで開けるなと言われた。
そして、帰りの飛行機に乗り込む。
その飛行機の中で、小倉さんから渡された紙袋を開く。
出てきたのは、小さなメモ帳。なんと、ご丁寧にも\105-って値札まで貼ってあった。
ページをめくるが何も書かれていない。
最後のページをめくった時、小さな可愛い字で
『私もがんばる、だからおまえもがんばれ』
って書いてあった。
それを読んだとき、自分の中で何かが切れた。
その時、小倉さんにはうまい某とは全く関係の無い彼氏がいた。
これが後の伏線になるのだが、当時の俺には知る由もなかった。
閑話休題。
地元を出てから約一年半。
自分一人だけ遠い東京で暮らしていて、文章であらわす事のできない妙な疎外感を、俺は感じていたんだ。
当然ネットや電話で繋がってはいるけど、だけど実際に会えるのなんか一年に一回くらいで、地元組で集まって何をした、みたいな話を聞く度、その疎外感は増していった。
元は自分から始まったこのうまい某の輪で、自分独りだけが取り残されたような感覚。
自分だけが、進む時間の止まっているような。
メンヘラに良くある被害妄想なんだろうけど、それが俺には耐えられなかった。
そんな想いがあってからの、小倉さんからのメモ帳。
暗に
『おまえはもう要らない』
って言われた気がした。
んで、書いてなかったけど、中西さんに振られたりチビ助に振られたり、ショックな事がある度にSNSを退会してたんだよね。
その後に結局またひょっこり戻ってくるのがお約束なんだけど。
例に漏れず羽田空港に着いた瞬間、俺はSNSの
『退会』
ボタンを押していた。
俺は、地元組との連絡を絶った。二十歳になったばかりの、8月のことだった。
電話やメールが来ても完全にシカトした。
というかメールアドレスも変えた。
ただ、心のどこかに断ち切れない何かがあったのか、携帯のメモリーはそのままにしていた。
そして迎えた10月。
俺は、仕事中に過呼吸を起こして倒れた。
地元でバイト中に過呼吸を起こしたことは何度かあったが、今の会社では初だった。
心療内科を受診した結果、なんか長ったらしいありがたい病名を頂戴した。
会社からは、休職を申し渡された。
空腹状態で酒を飲んではOD、意識が残っていればパチンコと、本当に腐ったような毎日を送っていた。
職場の人間と顔を合わせたくないので、家の近所は出歩かなかった。
引きこもってるか電車に乗って遠い場所へ。
syrup16gってバンドのデイパスって曲に
『働かないくせに偉そうね』
ってフレーズがあるんだけど、まさにその通りだった。
ちなみに俺の大好きなこのバンドはとにかく鬱で、聴いてるだけで心が蝕まれていく。
小倉さんと中西さんの影響で好きになったというのが、また皮肉な話だ。
閑話休題。
そんな腐りきった生活も3ヶ月目を迎え、もういくつ寝るとお正月って時に、俺はとある夢を見た。
あ、の前に、このくらいの時期に丁度チビ助もいろいろあって病んでて、自殺未遂をしちゃうようなメンヘラにランクアップを果たしてたんだっけ。
閑話休題。
そう、夢を見たんだ。
小倉さんが何か酷い目にあって、泣いている夢。
悲しそうに、しゃくりあげて泣いている夢を。
見た夢なんかはいつもなら起きたらすぐに忘れるんだけど、その時は違った。
妙なリアリティと共に、頭に鮮明に残っていたんだ。
嫌な予感がした俺は、あの夏の日以来全く連絡を取っていなかった小倉さんに、電話をかけた。
長え
面白かった!
小田さんみてくれてたらいいな(´゚ω゚`)