可愛らしい化粧をされて
可愛らしいスカートはかされて
可愛らしい服を着せられて
タイツもはかされて
俺なにやってんだろう
もちろんヅラも被されて
お姉さんの店はあの都会の駅だ
電車にも乗った
派手な二人組だった
「お姉さん、流石にこれは」
「喋らんかったらバレんから大丈夫やって」
俺は喋れなくなった
BARにつく
普通のBARだった
普通の、といってもなにが普通かわからんが
イメージ通りのBARだった
要はちょっと暗くてお洒落
小さな店だった
カウンターが七席にテーブルが一席
「なにしたらいいですか?」
「とりあえずトイレ掃除から。あ、上着は脱いでな」
ってなわけで俺は店の掃除を始めた
トイレ掃除
床の掃き掃除
テーブル拭き掃除
グラス磨き
「お客さんが来たらこれ二つずつ乗っけて出すんよ」
とそれはチョコとかのお菓子
「あとはそやな。これが~」
冷蔵庫の中のメニューを三つ教えてもらう
(お皿に盛り付けて出すだけ)
「んでお客さんが帰ったらグラス回収やらしてテーブル拭いてな」
「は、はい」
「今日はそんな客多くないから緊張せずに慌てずに、やで」
「頑張ります」
「まあ自分の一番の役目はそんなんとちゃうけど」
お姉さんが悪い笑みを浮かべた気がした
その意味は後に知ることとなる
開店から三十分、二人組の女性が来る
「おねーさんこんちゃーってなにこのこ! ちょーかわいいやん!」
「おねーさんどこで誘拐してきたん!?」
「誘拐なんかせんでもほいほいついてきまうんよね」
「あかんで、あのお姉さんについていったら食われてまうでー」
「いや、あの、そんな……これ、どうぞ」
言われてた通りお菓子を出す。
女性二人は目を丸くしていた
「……男の子やん! うわあうわあうわあああああ!」
二人の女性のテンションが上がる。
その後は落ち着いた女性客とお姉さんやらが話して
その日は計七組のお客さんが来た
入れ替わりがあったから満員にはならなかったけど
「はい、お疲れ」
お姉さんがジュースを出してくれる
なんだかんだで疲れた
主に精神的に
「いやー大盛況やったね、君」
「……はあ」
俺はようするにマスコットキャラクター代わりだった。
来る客来る客珍しいものを見る風に
ってか本当に珍しいんだろうけど
わいのわいのと騒ぐ
「あの」
「ん?」
「真っ青な髪の男性客の人、今度ホテル行こうとか言ってましたけど、冗談ですよね」
「ああ、あれな」
「ほんまにホテル付いてってくれたらラッキーってなぐらいちゃう?」
世間は広い
俺は色んな意味でそう思った
閉店作業をして家に帰る
もう朝だ
家に着くなりお姉さんはお風呂に直行した
「一緒に入るか?」
とか言われたけど盛大に断った
恥ずかしくて無理
お風呂から出てきたお姉さんは凄くラフだった
どっからどう見てもノーブラで
薄いパジャマを着ていた
前のボタンを途中までしか締めてなくて
胸元が思いっきり露出している
「熱いわー」
思いっきり乳首がががががががが
目を逸した
「ああ、そや、化粧落としたるわなー」
この間、服もどうすればいいのかわからないので
俺はずっと女の子である
良い終わり方であることを望んでます。
パンツを脱ぐ好機!!
化粧を落とすためにお姉さんは凄く近くに寄ってきた
勘弁してください
「玉の肌が傷んでまうからなー」
優しく化粧を落とすお姉さん
乳首が見せそうで見えない角度
胸の横っかわはずっと見えてて
俺はそれに釘付けだった
息子も釘付けだった
「よし、顔洗ってき。そのまま風呂入ってき」
「はい」
急いで俺は浴室に直行した
もう性欲が限界だ
やばい、本当にやばい
そりゃしたさ
うん、そりゃするさ
だってガキだもん 猿だもん
そんなわけですっきりした俺は風呂から出て
またお姉さん下着パジャマに身を包む
コンビニ弁当を食べて
またコーヒーを頼んだ
「飲めんやろ?」
「飲めます」
「はいはい」
出されたコーヒーにやっぱり梅干の顔をした
「はははっ、懲りんなあ」
暫く時間が流れて
「はあ、そろそろ寝よか」
「おやすみなさい」
「なに言うとん。一緒に寝るんやろ?」
目が点になった
なにを言ってるんだろうと思った
そんな約束はしていない
「なに驚いとん。髪撫でてくれるって言うたやん」
あれってそういう意味だったのか
「丹精込めて撫でてやー」
丹精込めて撫でるってなんだろう
「ほら、寝るで。明日も仕事やねんし」
小さく頷く
お姉さんの部屋に入る
あの落ち着くBGMが流れてた
「奥はうちやから」
「はあ」
ベッドに誘われて入り込む
お姉さんの匂いがした
もうそれだけで眠れそうだった
「はい」
「?」
「ぼうっとしとらんで、ほら」
「あ、はい」
お姉さんの髪を撫でる
俺よりもずっと身長の高いお姉さんの髪
綺麗な髪
赤い髪
撫でる度にいい匂いがする
「なあ」
「はい」
「彼女おるん?」
「いや、いないです」
「の割に髪撫でるの上手いな」
「多分、犬飼ってたから」
「犬? 犬とおんなじか」
「すみません」
「それも悪くないかなあ」
「はあ」
「だって撫でてくれるんやろ?」
別にお姉さんだったら犬でも猫でもワニでも蛇でも撫でる
「なら犬も悪ないな」
「お姉さんは」
「ん?」
「お姉さんは、その、彼氏、とか」
「おらんよ。おったら流石に連れ込まんわ」
「ですよね、はは」
嬉しかった
「でも、好きな人はおるかな」
言葉が詰まる
息が苦しくなった
そのお陰で
「そうですか」
と噛まずに言えた
なんでだろう
凄く夢見た光景なのに
男の夢って具合なのに
なぜだか辛かった
きっとお姉さんに好きな人がいると聞いたからだ
理由はわかってた
胸は苦しい
なのに心地いい
お姉さんを独り占めしている気がした
お姉さんの好きな人にだってこんなことはできないだろうと思った
けど俺はお姉さんの好きな人には成り代われない
結局、お姉さんはその内に眠っていた
泣きそうだったけど
俺もなんとか眠ることができた
起きると横にお姉さんがいた
頭を撫でて、起きてくださいと言う
お姉さんは寝返りをうって抱きついてくる
心臓が一気に跳ね上がる
もうずっとそのままでいたい
でもお姉さんはその内に目を覚ました
抱きついていることに気づくと、より深く顔を埋めた
「ごめんな、ありがとう」
お姉さんの言葉の意味がわからなかったけど
とりあえずお姉さんが喜んでくれるならと
俺はお姉さんの頭を撫でた
店について開店作業
とりたてて難しいことがあるわけじゃないので忘れてはいない
その日も疎らにお客さんが入っていた
何組目のお客だったか
中盤ぐらいでその人はきた
「よお」
やけにいかつい顔の人だった
ってかヤクザだと思った
「なんやねん」
少なくともお姉さんはその人を嫌っているようだった
「この前の借り、返してもらいに来た」
「自分が勝手にやったんやろ」
「でも助かったろ?」
席に座ったのでいらっしゃいませと通しを出す
「おお、この前のガキンチョか? 随分変わったなあ」
「?」
「なんだ覚えてねえのか。助けてやったろ?」
なにを言ってるのかさっぱりわからなかったのでお姉さんを見やる。
「不良に絡まれとった時、こいつが追い払ってん」
なるほど、それであの三人は逃げたのか。
そりゃこんな顔に睨まれたら逃げたくもなる。
「ありがとうございました」
「気にすんな。お陰でこいつにいいことしてもらえるからな」
「誰がするか」
「本気だ」
ガキでも解る三段論法
俺を助けるお姉さんを助ける強面
↓
それをネタにお姉さんを脅迫
↓
原因は俺
「あの」
「ん? どうした、坊主」
「……困ります」
「……あ?」
「そういうの、困ります」
「おいガキ」
強面が俺の胸ぐらを掴んで引っ張り上げる
なんでこんなこと言ってるんだろう俺はと後悔した
「おいオッサン、その手離さんとキレるで?」
お姉さんがドスの低い声で強面に言う
でもそれもこれも嫌だった
俺が子供だからこうなったんだ
「あの」
強面がこっちを向く
それに合わせて思いっきり手をぶつけてやった
平手で
多分、グーで殴ることが恐かった
そういう経験がなかったから
だから平手で殴った
強面は鼻血を出した
「ガキ……調子に乗りすぎだなあ?」
強面の恫喝に身が震えた
殴るなんてことはついやってしまったことに近くて
それ以上のなにかなんて無理だった
外に連れ出された俺は
五六発ぶん殴られた
こんな痛いことがあるんだと知った
もう人を殴るのはよそうとか考えてた
お姉さんが後ろから強面を止める
強面がお姉さんを振り払うと、壁にぶつかった
お姉さんが痛そうな声をだした
なにを考えたわけでもなく強面に突撃する
なにもできないけど許せなかった
振り払われて、また殴られて
「気分悪い、二度と来るか」
捨て台詞を吐いて、強面は帰った
お姉さんが中の客を帰して
意識の曖昧な俺を看病してくれた
どう看病してくれたかは覚えてないけど
お姉さんは泣いていたような気がする
ごめんな、ありがとう
と言っていた気がする
でも、俺にはやっぱり意味がわからなかった
殴られたからか、わからなかった
お姉さんが泣いているのは見たくなかったから
泣かないで、と手を伸ばした
お姉さんの頭を優しく撫でた
おいついたー!
はよはよっ!
自分も思たww
でもお前の勇気はすごい
気づくとお姉さんの部屋にいた
いつの間にか気を失った俺はお姉さんに運ばれたらしい
寝起きだからかぼうっとする
でもおでこがひんやりと気持ちいい
「おはよ」
お姉さんはベッドの横にある勉強机みたいなやつのイスに座ってた
パソコンを触ってたらしい
「おはよ、ございます」
起き上がろうとしたけど体が痛くてうめき声が漏れる
「あかんて、今日はゆっくりしとき」
「でも、仕事」
「なに言うとん。そんな面じゃお客さんびびるし、あの鬱陶しい客が二度と来ん言うてんから、うちとしては充分や。ほんまにありがとう」
「君はうちの幸運やな」
「役に立てました?」
「充分やって。あの客な、前から鬱陶しかってん。ああやって誘ってきてて。でも多分、ほんまに二度とこんやろ。なんせ、十五歳の子供に鼻血出されてもうたからな。メンツが立たんで」
にやりとお姉さんは笑う。
「凄いな、自分。恐かったやろ、痛かったやろ」
強かったけど、痛かったけど
それどころじゃなかった
そんなことどうでもいいぐらいに怒っていた
「別に」
「かっこつけんなや。でも君」
「かっこよかったよ」
嬉しいよりも照れくさい
俺は布団の中に顔を隠す
「なんか食べられそうなもん持ってくるわ。口ん中切れとるやろうけど、ゼリーなら食えるやろうから」
ゼリーは確かに食べられたけど
口の中は切れてて痛かった
でもまあ
「はい、あーん」
「自分で食べますよ」
「ええから」
「いや」
「はよ口開けろや」
「はい」
お姉さんが食べさせてくれたからなんでも食べれた
お姉さんが食べさせてくれるなら納豆でも食べれそうだった
納豆嫌い
「なんか欲しいもんある?」
「欲しいもの?」
「漫画でも食べ物でも用意するから。高いもんは勘弁してほしいけどな」
「じゃあ」
俺はこの時も知らなかったけど
殴られすぎると熱がでるらしい
だから思考があやふやになって
突拍子もないことを言ってしまうようだった
「お姉さん」
言ってから後悔した
なんてことを言うんだ俺は、って
「な、なんでもないです」
「うちは奥やからな」
お姉さんがベッドに潜り込んでくる
のか?
やっと追いついた
・・・もうパンツはなかった
一緒に眠った経験もあるわけだけど
その時とは雰囲気が違って
俺は借りてこられた猫のように固まった
「こんな」
お姉さんの手が頭に触れる
いつも俺がそうするように
優しく髪を撫ではじめる
「こんなぼろぼろになってもうてな」
「ごめんな」
別にぼろぼろになるのもぼこぼこになるのも
お姉さんを守れたならそれでよかった
お姉さんが喜んでくれてるし
ちょっとでも役に立てたみたいだし
お姉さんが頭を撫でる
それはとても心地いい
「ほんで」
「どないしてほしいん?」
それに答えられるわけもなく
恥ずかしくなって顔を反対側へ背けた
「なんてな、はは」
「それはちょっと卑怯やな」
お姉さんの手が首の下に移動する
それこそ犬猫のようにそっと撫でられて
くすぐったくて体が跳ねた
「こっち向いて」
耳元でそっと囁かれた甘い言葉に脳が痺れた
視界すらぼうっとしている中でお姉さんの方に振り向くと
唇が唇に触れる
お前ら…(´・ω・`)
ファーストキスだ
とか
思う間もなく
お姉さんの舌が口の中に入ってくる
生暖かい別の生き物が
滑りを立てて侵入する
動く度にそれは音を発して
俺とお姉さんがつながっていることを証明した
舌と舌が絡んで
お姉さんの舌が口の中の全てを這う
横も
舌の裏も
上も
歯も
口の切れた痛みも忘れて
ただ侵されることに集中した
これ以上ない幸福が詰まっているような気がした
お姉さんの手が俺の右手に触れて
指先ですっとなぞる
それは手から全身に電流を流して
意識が更に拡散していく
手を握られる
俺も握り返す
お姉さんが手をどこかに連れていく
そこで離される
合図だと思ったから手を滑らせる
初めて触る、女性の胸
すげぇ良かったわ(´;ω;`)
最高
何て夢みたいな話なんだよ…。
マジでご縁無いから大学とかでは絶対に…。
本当にスレ主が羨ま死
釣りだろうがなんだろうが最高でした
小説にして欲しい(`✧∀✧´)キラーン! すごい泣ける話だった(。•́ωก̀。)…グス
物書き向いてると思います!内容がすごくわかりやすいし!!
ありがとう。こんな出会いしてみたいな
(´;ω;`)
また読みに来たけど最高(´;ω;`)
今どうなってるかすごく知りたい
スレ主youtube始めてて草
マジかよ
マ?
これが七年も前なのか、、、
お兄さん、伝わらないかもしれないけどお姉さんのこと大事にして幸せにしてあげてくださいって、もうお姉さん幸せか笑
これが7年前の話なのか、、、今でも幸せならいいけどなぁー。俺も今年で二十歳出し、お店に行きたいなぁw
レス主にまじ感謝。神レスをありがとう
良スレやなぁ…(小並感)
小説でたら100万でも出して買うわ(本気で)
このスレ全部小説として書いて欲しい
泣ける
久しぶりに良いスレに会えた…何年も前だけど!
凄い良かったぁ…