俺が19の頃、姉が大学を卒業して就職し家を出た
が、それから1年も経たずに家に戻ってきた。
姉いわく、会社がクズ、同僚がクズ、上司がクズと
いわゆる私は悪くないアピールを毎日繰り返していた
どうするのかと問うと「わからない」「攻め立てるような真似をするな」と発狂した
結局家に居着いて仕事をしなくなったのだ
このままニートになるかと思っていたのだが―――
引用元:https://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1614843483/
突然服を脱ぎだした
俺は驚いた
姉には学生時代から付き合っていた彼がおり
その彼は就職先で上手いこと馴染んでいた。
世間一般より少し良い給料を貰っている彼を頼り姉は改めて家を出た。
引っ越しの日、母親は「もう少し将来のことを考えて行動しなさい」と叱り
父親は「相手の方によろしくな、結婚するならちゃんと挨拶にきなさい」と励まし
俺は「死ね」と激励した
その4ヶ月後に姉はまた帰ってきた―――
姉いわく「あいつもクズだった」とのことだ
細かい理由を聞いても支離滅裂で全く理解できなかった
わかったのは彼が職場の先輩と良い関係になり姉が邪魔になったことだけ
被害者意識たっぷりの恨み言を聞かされたが
どうせ姉が働きもせず家事もろくにできず、その上ワガママ言って追い出されただけだと思う。
姉は部屋に引きこもり毎晩妙な叫びを上げ、風呂にも入らず汚臭を撒き散らしていた
その時俺は実家から職場へ通っていたのだが、毎朝俺にまでブツクサ文句を言うので俺は常に死ぬことを勧めていた。
そんなことが続いたある日―――
姉が婚活を始めたのだ。
本性を知っている俺のフィルタを通しても顔と体だけはまぁまぁ普通の姉である。
出会い系アプリに登録しただの結婚相談所へ相談しただの聞いてもいないのにベラベラと食卓で話す姉。
両親は苦笑いしながらも応援した。
卵焼き一つまともに作れない女が「女は家庭に入るべき」と宣っていた。
俺は死んだほうがいいと言い続けた。
恐らく盛っているプロフィールと自慢の決め顔写真がきいたのか
数人の男とマッチングし意気揚々とデートを繰り返す姉
俺が一人暮らしを始めようと準備していたころ
それは起こった―――
姉は二人の男と同時に交際を始めた
一人は太めの中年、はっきり言うとホリエモンを更に劣化させたような男だった
もう一人は痩せていたが頭を剃っていた。ハゲ隠しか知らんがスキンヘッドだった。
写真を見せながら姉は言う。どちらも情熱的なアプローチをしてくるイケオジだと
学生時代ジャニーズにキャーキャー言ってた糞女がイケオジとか言い出したのだ
考えるまでもなく、「条件」が良かったのだろう
両親は不安げだった。俺はどうでもよかった
俺の引っ越しが近くなったころ、姉がハゲの方を家に連れてきた―――
ハゲは礼儀正しかった。初対面では帽子を脱ぎ、俺や両親に深々と頭を下げ後頭部を晒した。
歳は46歳、不動産会社勤務、離婚歴有り、そしてハゲだった。
「真剣にお付き合いをさせていただいております」その言葉と表情は真剣だった。
鼻高々なクソ姉が横にいなければ絵になっただろう
その晩、両親と一緒に軽いおもてなしをして話を聞いてみた―――
ハゲには娘がいた。親権を元嫁に取られてしまったらしい
コブ付きなら姉は選ばなかったであろうことが分かる
両親は答えたくないであろうことを次々に聞いた
「年収は?」「資産は?」「借金は?」「娘のどこがいいの?」「この子家事できないわよ?」
自分で言うのもあれだが俺の両親は他人を気遣うタイプではない
だが俺の目には娘を心配しているというより良心的なハゲを気遣っているように見えた
両親の思いを察した俺は色々と要約して質問した
「あんたこんなのと再婚して本当にいいの?」
姉は終始俺たちを睨んでいた―――
ハゲは箸を置き、真剣な表情で答えた
「はい、娘さんとは結婚を前提にお付き合いをさせていただいております。良いところも悪いところも分かっております」
瞬間、俺の目にもイケオジに見えた
若い女の顔と体目当てではないのか、今後のことを真剣に語りだす
まぁ同居にも抵抗がないと言った時に姉の顔が歪んだのを俺はちゃんとみていた
食事の後、ハゲもといイケオジは帰っていった
両親は最初と違い好印象、姉はニヤニヤとしていて気持ち悪かった
俺は引っ越して一人暮らしするからどうてもいい
そんなこんなで俺が引っ越して7ヶ月後
姉から結婚式の連絡がきたのだが―――
たとえ先に排泄されただけとはいえ姉であることに変わりはない
俺は有給を申請して姉の結婚式へ参加した
それはそれは盛大であった。義兄は普通に金持ちだった
ハゲるほど仕事に没頭していたとかではなく、実家が金持ちだった
家柄を戦闘力で例えるならクリリンと18号の結婚である。当然姉はハゲ側だ
「二人の出会い~そして~」という誇張されまくったムービーで知ったが
姉は職場で辛い目に会い、絶望していたところ義兄に出会ったという気持ち悪いストーリーができていた
相手方は妻と離婚し絶望しているところ姉に出会った。これは運命でした―などと言う内容だった。
俺は鼻水を必死に堪えた―――
結婚式が終わり、号泣する父を他所に相手方の家族へペコペコ頭を下げる母
俺はさっさと帰ったが、後日記念品として姉と義兄のプリントされた皿が送られてきた。そう、ゴミである
そんなめでたい日から1年も過ぎた頃、姉が出産したと連絡がきた
元気な男の子と聞いて安心した。女の子なら姉の糞部分が強く遺伝したかもしれん
俺は忙しく、お祝いを言うだけで済ませたが
この子が後に大きな問題となる―――
別の男の子供だった。などという最悪な話ではない
正真正銘、糞姉と義兄の間の子供である。
後で両親から聞いたが、糞姉は子育ての知識が完全に0だった。
専業主婦となり、炊事洗濯掃除&子育てというハードなスケジュールを糞姉がこなせるか
答えはNOだ。どれも中途半端で義兄の食事すら毎日用意できないほどだった
義兄はベビーシッターや家事代行を提案したが糞姉にもプライドがあるのか全て断った
ではどう解決するか。答えは簡単、両親に丸投げである
「家事が大変だから預かって」と両親の自宅へ頻繁に息子を預けるようになったのだ
正月に俺が家に帰った時も赤ん坊をあやす母がいたが、糞姉はいなかった
流石に駄目だろうと思った俺は義兄へ連絡したのだが―――
義兄は優しかった。言いかえれば甘かった
「家事も子育ても重労働です。お義母さんにはご迷惑をお掛けしますが、必ず埋め合わせをさせていただきますので少しの間ご協力いただけないでしょうか」
前妻と子育てを経験している男に俺が言えることは無かった。
両親もニコニコと承諾しており、初孫に燥ぎ散らしていた
良いか悪いかの判断は別に俺は嫌な予感がしていた
息子を両親に預け、糞姉が家事に集中しているのか疑わしかった
あいつは客観的に自分が悪いと認識できない糞で糞を煮しめた糞女である
俺は義兄の家にあそびに行きたいと提案し、快く承諾してもらった
そして手土産を片手にバカでかい一軒家へ出向いたのだが―――
一目で駄目だと分かる人間は存在する
糞姉は最後にあった時と比べ滅茶苦茶に太っていた
服が1サイズ以上大きくなっているのである
加えて家の中の掃除もまともにできていない
ドアの角に埃が貯まり、ペットの猫毛が絨毯に散乱している
猫もどことなく汚かった。脱いだ服も済に貯められていた
改めて思う、こいつは死ぬべきだったと
ニコニコと笑う義兄に対し、糞姉は心底面倒くさそうだった
第一声で「来たんだ」と言われたときは普通に殺意がでた
手土産を渡し、その流れで俺は現状を簡潔に指摘した
「おいデブ、どこが専業主婦だよ」
姉はキレた、沸点が以前より低くなっている
家事がまともにできていないこと、太り放題なこと、息子の育児を丸投げなこと
義兄には宥められたが、俺が言わねば一生誰にも指摘されないだろう
ティッシュ箱や服を投げつけて失せろと叫ぶヒステリック糞姉に言葉は通じなかった
ハエと人間の遺伝子配列はほぼ一緒らしいが、姉はハエ寄りなのだろう
もう駄目だと諦めた、義兄には悪いがもう関わりたくない
両親に子供を預けっぱなしでいいなら構わない
俺はティッシュ箱を姉の顔面に投げ返して帰宅した―――
4年後、仕事の忙しさから両親の実家に帰宅できていなかった俺に連絡があった
糞姉が離婚したというのだ。理由は息子へのネグレクトである
子育てを嫌がっていた頃から察していたが、糞姉は子供に興味が無かった
息子が幼稚園に入ると、送り迎えも両親が行っていたらしい
その間に糞姉がやっていたのが散財と小旅行である
家でも子供を構わず、義務的に機械的に簡単に世話をしてはいおしまい
仏の義兄が阿修羅と化すのも仕方がないことだ
止めになったのが姉の「女の子が良かった」の一言、息子の目の前で言ったそうだ
糞姉は慰謝料を貰い息子の親権をとって永続的に金を引っ張ろうと考えていたようだが
状況証拠だけでも糞姉に勝ち目などなかった
当然のように息子の親権は義兄に渡り、糞姉の有責が認められた
諸々の相殺で姉に殆ど金は渡らなかった
金も無く家もなく行き着く先は両親の実家
そんな糞姉がどうなったかというと―――
両親は娘を叩き出すことができなかった
孫のために用意した部屋を片付けて糞姉が収まった
毎晩狂ったように恨み言をブツクサ言っていた姉だがある日急に回復したらしい
糞姉には一つだけ特技があった、どこで培ったのか知らんが声優みたいに色んな声色で喋れるのだ
能力的にまともに働くこともできない糞姉がたどり着いた終着点、馬鹿の行動など誰にも予想できないと糞姉が証明してくれた
糞姉はバーチャルユーチューバーとして現在活躍中です(実話)
-完-
じゃあ結局成功したんやな
もうちょっと展開が早い方が俺は好き